リフォームを検討していると、建物の「耐用年数」と「耐久年数」という言葉を目にすることがあるかと思います。この2つの言葉は、似ているようでまったく違う意味の言葉なのです。今回は、耐用年数と耐久年数の違いや、住宅や設備の耐久年数がどれくらいのものなのかなどについて紹介します。
耐用年数、耐久年数とは
建物の耐用年数とは、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(※1)で決められた法定耐用年数のことです。木造住宅の場合は、22年(※2)とされていますが、その期間を過ぎたからといって住んではいけないというわけではなく、あくまで減価償却(※3)の目安の年数です。
一方の耐久年数は、各住宅メーカーなどが独自のテストや判断において、「このくらいの年数なら住宅としての使用に問題はない」と考えている目安の期間です。それより前に問題が起こることもありますし、過ぎたからといって必ず問題が起こるわけではありません。
両者とも似たような意味で使われることがありますが、上記のような違いがあることを覚えておいてください。
以下では、リフォーム工事と家の耐久年数について紹介していきます。
※1 減価償却資産の耐用年数等に関する省令
※2 木造住宅の耐用年数
https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php
※3 減価償却とは
減価償却とは、固定資産(建物や機械設備)など、時間の経過や使用によってその価値が減少するものを取得した時に、支払額をその耐用年数に応じて費用計上していく会計処理のこと
リフォーム工事で耐久年数は延びる?
耐久性を高めるリフォームを行えば、実質的にも耐久年数を延ばすことは可能であると考えられます。住宅の寿命としてはよく30年程度ともいわれますが、耐震性を高めたり、断熱性能を高めたりすれば、30年を越えても、快適に住み続けることができるかもしれません。
例えば、大きな地震にも備えられる耐震改修を行うことや、壁の断熱材を強化すること、サッシを断熱性能に優れたものに交換することで、耐久年数が延びることも期待できます。
しかし、それは建物の構造体の部分であり、例えば、ユニットバスやキッチンなどの住宅設備の耐久年数は、もっと短い場合がほとんどです。住まいの寿命そのものを長持ちさせるためには、新築から10年目以降からは、設備の入れ替えなども検討していくことが必要となります。
さらに、将来のライフスタイルの変化に対応することも重要です。例えば、子供が巣立ち、家族が少なくなった場合には、思い切ってワンルームのような間取りにすることや、車いすを使わなければならなくなった場合には、バリアフリーに変更するなどのリフォームを考えることが必要です。
リフォームが必要になる目安
日本の木造住宅の寿命は30年前後といわれていますが、それは一つの目安であり、35年でも40年でも快適な暮らしをしている人はたくさんいます。しかし、新築から20~30年経つ頃には、リフォームを検討する人が多いのも事実です。その要因は、家そのものの劣化ではなく、設備の故障や不具合というきっかけが多いようです。
例えば、ユニットバスやキッチン、トイレの便器などの設備は早ければ10~15年程度で不具合が出ることがあります。蛇口の調子が悪くなったり、トイレや脱衣所が寒いと感じたりなど、使い勝手に不便を感じる時期です。また、ボイラーなどの燃焼系の設備は、一般的に10年程度が寿命ともいわれています。また、外壁や屋根も定期的にメンテナンスをしなければ、劣化が早まってしまうでしょう。
こうした設備の入れ替えと一緒に、建物そのものの耐久性を改善するためのリフォームを検討するのも一つの手かもしれません。
わが家に長く住み続けるためには、いつかはリフォームを検討しなければならないタイミングが訪れます。建物の不具合がまだ軽度なうちに対応することや、ライフスタイルに合わせたリフォームをしながら、耐久性も長く保つことができるようにしていきたいですね。
リフォームステーションでも、お客様の大切な住まいにいつまでも安全で快適に暮らしていただけるための、さまざまな工夫をご提案いたします。気になることがあれば、まずは相談からはじめてみませんか。