かつて雨戸はどの家にもあるものでしたが、防水性や気密性といったサッシの機能が向上したために、新築時に設置しない家も増えてきました。
しかし、雨戸は、住まいを雨風から守るだけではなく、防寒、遮熱、防犯などの役割も果たすものです。近年は採光・通風機能のある製品も出てきましたし、さらに最近の雨戸は軽量化され、収納スペースを必要としないので、リフォームによって後付けすることも可能です。
本コラムでは、そんな後付け雨戸の機能や設置の注意点についてご紹介します。
目次
後付け雨戸の主な種類と機能
雨戸には「シャッタータイプ」「単板引き戸タイプ」「折れ戸タイプ」の3種類がありますが、後付けリフォームでは開閉が楽な「シャッタータイプ」が中心となっています。
シャッタータイプ
開放時は窓の上に収納でき、スペースをとりません。さらに電動リモコン機能のついた製品なら、窓を閉めたまま、室内から雨戸を開閉することができます。
また、単板引き戸タイプ、折れ戸タイプと比較すると、防犯性の高さも魅力です。最近ではタイマー機能が付いた製品もあり、設定した時間に自動で開閉できるので、非常に便利です。
単板引き戸(横引き戸・引き違い戸)
雨戸と聞いて真っ先にイメージされるのはこのタイプではないでしょうか。
シンプルな板状の雨戸を左右にスライドして開閉します。収納する戸袋の設置が必要で、雨戸自体が重く開閉に手間がかかる、閉めた際に室内が暗くなってしまうというデメリットがありますが、価格が安価なため、費用を抑えたいという方にはお勧めです。
折れ戸タイプ
戸袋を設置する必要がなく、収納スペースが必要ありません。また、雨戸を開けた時にもコンパクトな形状になるので、空間を広く使うことができます。デザイン性の高さも魅力で、洋風の住宅で採用されることが多いです。
そのほかにも、下記のような機能を持つ後付け雨戸があります。
通風雨戸
「ルーバー」と呼ばれる羽根の角度を調節することで、雨戸を閉めたままでも風を通したり、自然光を取り入れることができます。
強風対策
雨戸が外れるのを止める金具もオプションで付けられる製品があります。強風地域や台風などの場合に雨戸が飛んでいくのを防ぐことができます。
断熱対策
戸板の間に発泡ウレタンなどの断熱材を入れたものです。家の外で断熱することで、日射熱を室内伝わらなくなります。
既存の戸袋におさめられる
既存の戸袋をそのまま残し、雨戸だけ交換できる製品もあります。サイズが合えばもっとも安価に雨戸を交換することが可能です。
取っ手を付けて開閉が楽に
引き戸タイプの雨戸などに後付けで取っ手を設置することも可能。力を入れやすくなり、開閉が楽になります。
雨戸の取り付け工事の手順
雨戸を後付けする場合、既存の窓の外枠に取り付けることになります。その手順は次の通りです。
- 既存の窓枠に雨戸の下地を設置
- 雨戸の枠を取り付ける
- コーキングなどで防水補強する
- 雨戸本体を設置
最近は外壁を壊すことなく後付けできる製品が増えてきました。工期が短縮され、設置費用も抑えることができます。
雨戸を設置するときに注意すべきこと
設置する窓枠の周りに注意
雨戸を設置する窓の周りに電気ボックスや、雨どいなどの設備があると、取り付け工事の邪魔になることがあります。このような場合は、設備を移動させてから雨戸を取り付けることになり、費用が割増しになることがあります。
外壁のリフォームと一緒に行うとお得
2階以上の窓に設置する場合は足場を用意しなければなりません。ですから、外壁などのリフォームと同時に行えば、足場を共有できるので、費用を節約することができます。
外観デザインとの相性も考慮
雨戸を取り付ける際には、住まいの見た目とのバランスが気になる方も多いのではないでしょうか。各メーカーから様々なデザインの商品が発売されていますので、リフォーム会社と相談をしながら相性のいい雨戸を探してみてください。
まとめ
窓は外の景色を眺めるためのものではなく、光や風、熱の出入り口であり、また不審者の侵入口にもなりえます。後付け雨戸によって、窓の各種機能を補い、向上させることは、安心、快適な暮らしにつながります。
リフォームステーションでは、窓メーカー各社の後付け雨戸の中から最適な製品を選ぶお手伝いをいたします。窓の防犯や断熱などで気になることがございましたら、ぜひ一度お問い合わせください。